「ありがとうございます」と「ありがとうございました」どちらが自然?

「ありがとうございます」と「ありがとうございました」 適切な方はどちらでしょう。

A
あなたは、会議の進行役です。これから会議を始めます 。
あなた 「本日は、急な設定にもかかわらず、ご参加いただき 〇〇〇〇〇」

B
あなた「先日は、会食の場に私までお招きくださり〇〇〇〇〇」

C
あなた「すみません、急なのですが、明日お休みさせていただけますか?」 
上司「  」 
あなた「子どもの風邪が妻にうつったようで、さっき家から電話が入りまして、あしたは私が子どもの世話をしないといけなくなりました」 
上司「それは大変だね。急ぎの仕事があれば、チームで手分けすればいいから。うまく調整してください」 
あなた「〇〇〇〇〇」

D
あなたは、社外の方と打合わせ中です。
お得意様「こちらは、追加資料なのですがご参考になればと」 
あなた「これは貴重なデータですね。共有くださり〇〇〇〇〇」

E
あなた「これで私からの発表を終わります。ご静聴〇〇〇〇〇」

「ありがとうございます」も「ありがとうございました」も、 “ありがとう”という感謝の気持ちは “今” 思っていて、その気持ちを “今” 伝えたい のはどちらも同じ。 では、どのように日本語ネイティブは使い分けているでしょうか。

 例文それぞれの「感謝の対象」と「感謝を述べている時点と比べて、その感謝の対象がいつの出来事なのか考えてみましょう。

例文何に対して感謝をしていますか?その感謝の対象はいつの出来事?
A直前の会議収集にもかかわらず、調整して参加してくれていることに対して感謝を述べている時点
B会食に招待してくれたことに対して感謝を述べている時点より以前
C休暇依頼に対する上司の配慮に対して感謝を述べている時点
D資料を用意してくれていることに対して感謝を述べている時点
E発表を静かに聞いてくれたことに対して感謝を述べている時点より以前

 今起こっていることに対して感謝の気持ちを表す場合は「ありがとうございます」を使い、すでに完了したことに対して感謝する場合は「ありがとうございました」と表現します。

A 「本日は、急な設定にもかかわらず、ご参加いただきありがとうございます

B 「先日は、会食の場に私までお招きくださりありがとうございました

C ありがとうございます

D 「これは貴重なデータですね。共有くださりありがとうございます

E 「これで私からの発表を終わります。ご静聴ありがとうございました

Aのケースで、会議が終わり、参加してくれたことにありがとうと伝えるのならば、「本日は、急な連絡にもかかわらず、ご参加いただきありがとうございました」となります。

では、この場合はどうでしょうか。

F あなたは社内会議の進行役です。
あなた「資料を事前にご確認いただき〇〇〇〇〇。本日は、この資料にもとづき、さらに細部を詰めたいと思います」

G メールでのやり取りです。
あなた「来週のお打合せですが、14時に貴社オフィスでいかがでしょうか」
先方「弊社側は、全参加者14時開始で結構でございます。ご足労いただきますが、よろしくお願いいたします」
あなた「ご確認〇〇〇〇〇。資料は明日までに送付申し上げます。よろしくお願いいたします」

 F・Gのどちらも、確認していただいた行為自体は過去の出来事ですが、この場合は「ありがとうございます」が自然です。
これは、感謝の対象となる行為(資料の事前確認と日程の確認)が、その後の会議や打合せの進行といった“現在の話題”につながっているためです。

 つまり、過去の行為であっても、その内容が現在のやり取りや状況に関係し続けている場合には、「ありがとうございます」を用います。日本語ネイティブは、「ありがとうございます」と「ありがとうございました」を自然に言い分けているため、不自然な使い方には違和感を覚えることがあります。場面に応じて、適切な表現を選びましょう。

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