「お伝えします」と「申し伝えます」どちらを使いますか?
A
先輩 「来週の打合わせ時間の変更、佐藤部長に伝えた?」
あなた「はい、昨日〇〇〇〇〇。会議室も予約し直しておきました」
先輩「了解、ありがとう」
B
お客様「後ほどお電話しますと、佐藤部長に伝えていただけますか」
あなた「承知しました。〇〇〇〇〇」

「お伝えします」は、「伝える」に謙譲表現の『お~します』を付けた言い方で、自分の行為(伝える)をへりくだり、伝える相手である部長への敬意を示した言い方です。「はい、伝えました」とも言えますが、これは、単に先輩に対して丁寧な言い方をしているだけです。
一方、「申し伝えます」は、社外の方に対して、社内の人へ伝言することを伝える際に用いる決まり表現です。社内では自分が下位で佐藤部長が上位であっても、社外の方に対しては、「(佐藤部長に)お伝えします」のように、部長に対する敬意を示す表現は用いません。
ですので、Aは「はい、昨日お伝えしました」Bは「承知しました。申し伝えます」が適切です。
間違いを正しましょう。
C
サプライヤーさん「再見積もりいたしまして、先ほどメールでお送りしました。あらためてご説明にあがらせていただきたいと思っております。佐藤部長様にもどうぞよろしくお伝えください」
あなた「早々に対応いただきありがとうございます。承知しました。佐藤部長にもお電話あった旨、お伝えしておきます」
会話の相手がサプライヤーで、自社がお客様の立場であっても、その関係にかかわらず、『内』と『外』を意識して敬語を使い分けます。ここでいう『内』は社内、『外』はそれ以外の相手を指します。『外』に対して『内』の人を敬う表現は用いないのが基本です。したがって、「お伝えしておきます」は誤り。「お電話あった旨、申し伝えます」といった言い方が適切です。全体に丁寧な相手を敬う表現にするには、次のようにも言えます。「早々にご対応いただきありがとうございます。承知いたしました。佐藤にも〇〇様からお電話いただきましこと、申し伝えます」
どの程度丁寧な表現にするかは、あなたとサプライヤーさんとの親密度、取引きの重要性などにより、調整してください。
「申し伝えます」は「伝言します」の意味のときに使う決まり表現です。それ以外に使うと不自然になりますので、要注意。下の場合、誤りを正すと「田中に伝えまして、確認させていただいてもよろしいでしょうか」となります。現実的なよく使う表現としては「社内で一度調整させてください。前向きに検討いたします」などもあります。

サプライヤーさんが「佐藤部長様」と呼んでいますが、こちらはどうでしょうか。『部長』と『様』が重なった二重敬語に近い言い方となり、本来は適切ではありません。ただ、最近では『部長』を敬称として強く意識しない傾向なのか、役職だけでは敬意を表せないと感じ、役職に『様』を付けた呼び方を耳にすることも増えてきました。いずれにせよ、役職名は敬称ですので『様』を付ける必要はありません。
